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2013年5月29日 (水曜日)

第24屆金曲獎・最優秀新人賞 -ノミネート編-

今年も『当たらない sasanoji.radio 金曲奬予想』、やりま~す…。
前回は五月天が主要6部門獲得という圧倒的な強さで、結局予想したうちの5部門しか当たりませんでした。 ただ、いつもどおり大物さんは敢えて除くスタイルだったので、正直そんなに外した気はしなかったです。 あーやっぱりねー、という感じで。 今回も林憶蓮や蔡依林など何人か重複ノミネートが目立ってはいますが、前回ほど圧倒的という雰囲気はありません。 主催が文化部になって多少は変化があったのでしょうか、まずまずバラけた印象です。 その分派手さが控えめになって、シブい雰囲気が出ていますね。
では、今年は新人賞から始めます。

第24屆金曲獎最佳新人獎

昨年は阿福を本命、以莉.高露(Ilid Kaolo)を対抗と予想して、対抗の鼻息がものすごい聞こえる~と書いたら案の定、その以莉.高露のほうが受賞しました…。 でも彼女の『輕快的生活』はホントに気持ちの良いアルバムだったので、これは納得の結果でした。

今回の最佳新人獎候補は以下の7組です。
呂薔『We Don't Talk』
桑布伊(盧皆興)『同名專輯 - dalan』
白安『麥田捕手』
家家『忘不記』
艾怡良『如果你愛我』
葛仲珊(MISS KO)『KnockOut葛屁』
歐開合唱團『O-Kai A Cappella』

昨年より2枠多い、過去最多の7組ノミネートです。 恒久的なものなのかはわかりませんが、新人賞はこれくらいの枠があってもいいですよね。 それからもう一つ過去に例のない状態となっていること、お気づきでしょうか。 7組中5組がこのブログでピックアップ済み…などという話ではなく、7組中4組が、原住民族出身アーティストなのです。
呂薔(ルゥチアン)は泰雅タイヤル族、桑布伊(Sangpuy)は卑南プユマ族、家家(JiaJia)は布農ブヌン族と卑南プユマ族のハーフ、歐開合唱團(O-Kai Singers)は泰雅タイヤル族出身の葉姉弟を中心とする6人組アカペラグループです。 映画『セデック・バレ』が公開されて台湾原住民族の文化に興味を持った日本人が増えていますし、こういった大きな賞で取り上げられれば聴いてみようと思うキッカケにもなるでしょうね。 現在台流として紹介されている中で原住民族アーティスト作品が占める割合はまだまだ少ないですが、今後台湾人の民族アイデンティティが確立されるにつれ、彼らの存在はさらに大きな影響力を持ってくるに違いありません。

ただ、今回の選考に関してはかなり疑問を持っています。 おそらく初めてCD作品をリリースしたアーティストの中から選出したのだと思いますが、ハッキリ言って桑布伊、家家、歐開合唱團の3組は新人と呼ぶにはキャリアがじゅうぶん過ぎます。 桑布伊は原住民族音楽の世界では10年以上のベテランですし、歐開合唱團も国内外の音楽祭で数多くの賞を受賞している実力派アカペラグループです。 家家なんて2007年の第18屆金曲獎、昊恩家家(Hao-En & JiaJia)『Blue In Love』で最佳演唱組合獎を受賞しているのを忘れていませんか? 今回家家は最佳國語女歌手獎にもノミネートされていますが、そちらのほうが正当な評価でしょう。 この新人賞の選考基準は見直したほうがよいと感じました。 選からもれた本当の新人たちが気の毒です。

* * * * * *

呂薔(ルゥチアン)は原住民族タイヤル族出身の18歳。 2011年から毎週レコーディングスタジオに通ってトレーニングを積み、2012年12月に2枚組CD『We Don't Talk』でデビューしました。 18歳でこのボーカルです…。 初めて聴いたときはもう…大げさですけど腰が抜けそうになりました。 CD2には原住民語歌3曲しか入っていませんが、僕はむしろそっちのほうがアルバムのメインだと思っています。
それにしても呂薔を選ぶとは意外でした。 これは嬉しい驚きです。 大きな取り上げられ方はされていなかったはずですし、どうして彼女を選ぼうと思ったのか、審査員にちょっと理由を聞いてみたくなりました。 やるじゃないか、今年の審査員^^。

桑布伊(Sangpuy)は、陳建年(チェンジェンニェン)や張惠妹(アーメイ)、神木與瞳の黃美珍(ホァンメイジェン)ほか数多くの有名アーティストを輩出しているプユマ族の出身。 年齢は不詳ですが2000年頃にはもう音楽活動を始めていて、国内外の音楽祭や重鎮・胡德夫(Kinbo)、張惠妹のライブにも参加しています。 ノミネートされている中では最も原住民族らしさを感じさせる音楽スタイルで、弦楽器だけでなく鼻笛と呼ばれる文字どおり鼻息で鳴らす笛の名手でもあります。 桑布伊は今回、2012年11月リリースの1stアルバム『桑布伊同名專輯 - dalan』で新人賞のほか、最佳原住民語專輯獎、最佳原住民語歌手獎、最佳專輯製作人獎、最佳編曲人獎の全5部門にノミネートされています。

白安(バイアン)は2012年12月に1stアルバム『麥田捕手』でデビューした21歳の女性シンガーソングライターです。 風が吹けば折れてしまいそうな華奢な身体に可憐な容姿。 なによりもあのハスキーボイスが特徴的。 舌っ足らずなのか、歯並びがよくないことが関係しているのか、あまり聴いたことがないタイプの歌唱スタイルです。 好みでない方もいらっしゃるようで評価は分かれていますね。 僕は魅惑的に感じました。 名プロデューサー・李宗盛(ジョナサン・リー)が発掘したとの記事を多く見掛けますが、その才能は早くからネット上では話題になっていたようですし、磨いた…と言ったほうが適切かもしれません。

家家(JiaJia)はブヌン族とプユマ族のハーフ、本名は紀家盈。 お姉さんは第11屆金曲奬(2000年)で新人賞を受賞した原住民音樂天后・紀曉君(Samingad)。 叔父さんは第11屆金曲奬で最優秀男性シンガー賞を受賞した金曲歌王・陳建年。 家家自身もプユマ族出身の男性シンガーソングライター・昊恩(Hao-En)とのユニット・昊恩家家(Hao-En & Jia Jia)として、第18屆金曲獎・最優秀ボーカルユニット賞に輝いている実力派女性シンガーです。 しかしその後、彼女は表舞台に出ることを次第に避けるようになりました。 家家は元来とても繊細な心の持ち主で、外見上のコンプレックスからとうとう引きこもり状態となってしまったのです。 その彼女を外へと引っ張りだしたのが、五月天の阿信でした。 家家は彼らのライブなどに出演して歌ううち徐々に自信を取り戻し、2011年、彼女がカバーした五月天主演映画『追夢3DNA』の主題歌『知足(3DNA追夢版)』はヒットチャート上位を席巻しました。 2012年12月にリリースしたソロ1stアルバム『忘不記』は、家家の再出発第1号作品でもあるのです。

艾怡良(Eve Ai)は23歳のときオーディション番組『超級偶像』第5シーズン(2010年-2011年)に出場、過去に例のない高成績を収めてチャンピオンとなりました。 番組審査員を務めた王治平らが『藍調女王(ブルースの女王)』と呼んで絶賛したソウルフルなボーカルが魅力の女性シンガーです。 2012年11月、メジャーレーベル・索尼音樂(Sony Music)から1stアルバム『如果你愛我』でデビューを飾りました。 僕もかなり注目していたシンガーで、どうSonyが料理してくれるのか楽しみにしていたのですが、ちょっと手を入れすぎて素材の持ち味を活かしきれていないかなぁという個人的な印象を持ちました。 それでsasanoji.radio Awardsでは外しましたが、要注目新人の一人であることは確かです。 納得のノミネートです。

葛仲珊(MISS KO)は蛋堡(Softlipa)が所属するインディーズレーベル・顔社(KAOINC)の新人女性ラッパーで、英語と中国語をミックスしたスタイルが特徴です。 アメリカ・ニューヨークの出身。 台湾人の両親のもとに生まれ、ずっとニューヨークで育ってきました。 高校生の頃に創作活動を開始。 大学時代はいくつかのグループに所属し、卒業後はソロで活動。 1stミックステープがメディアの注目を集め、彼女のパフォーマンスがニューヨークやフランスのTV番組でフィーチャーされたこともありました。 2010年、28歳のときに両親の故郷である台湾に渡り、顔社と契約。 蛋堡の妹分的存在として徐々に露出を増やし、2012年8月、1stアルバム『葛屁 Knock Out』でデビューしました。
正直、このノミネートはちょっと驚きました。 顔社の新人ということでTopicsでは取り上げていますが、個人的なストライクゾーンからは外れていたのでほとんど注目していなかったです。 文化部、なかなか攻めてきますねー^^。 エスニックな顔立ちをしているので、ひょっとするとルーツは原住民族系なのでしょうか。 詳しいプロフィールがほしいところです。

最後は、中華音樂人交流協會による年度十大優良專輯にも選出された歐開合唱團(O-Kai Singers)です。 歐開合唱團は昨年度僕が最も注目していたユニットです。 彼らが選ばれない音楽賞などあり得ないとさえ思っていました。 僕は個人的に歐開合唱團を2012年度のBest Groupに選んでいます。
歐開合唱團は王溪泉、賴家慶の音楽家2名と、原住民族・タイヤル族出身の葉4姉弟(葉微真、葉文祥、葉孝恩、葉孝賢)によって2004年に結成された男女混声6人組アカペラグループです。 現在はカウンターテナーの葉文祥が抜け、葉3姉弟と賴家慶の4名に阿美(アミ)族出身の李志偉、漢民族の薛詒丹を加えた6名体制。 王溪泉はプロデュースに専念しています。 今回、王溪泉と賴家慶が最佳專輯製作人獎候補に、ほか歐開合唱團は最佳演唱組合獎と最佳原住民語專輯獎、Michele Weirが最佳編曲人獎など合わせて5部門にノミネートされています。 また、既に評審團獎の受賞が決定しています。 素晴らしい。

* * * * * *

さて予想ですが…
新人といいながらベテラン並みのキャリアを持つ桑布伊、家家、歐開合唱團の扱いによって景色が全く変わってくると思うので、これは~審査員たち、どうするのでしょう…。 サッパリ見当がつきません。 しかたないので新人らしい新人組とニセ新人組から一組ずつ出しましょうか^^。
新人らしい新人4名から選ぶとすればやっぱり~、白安、でしょうか。 ボーカルスタイルは賛否ありますが印象に残りますし、ソングライターとしての才能も豊かです。 葛仲珊は難しいと思う。 呂薔が選ばれれば嬉しいけれど、どうだろう。 ややマイナー感が漂います。 艾怡良は歌唱力じゅうぶん、なにより後ろについているモノが大きい…。 あり得ます。
ニセ新人のほうは~、わからん。 どう考えても新人じゃないだろー、コレは。 昨年と同じパターンがあるとすれば、桑布伊でしょうか…。 もう桑布伊でいいです。

本命は白安、対抗が桑布伊。 単穴は艾怡良で。

* * * * * *

ガス欠寸前です…。
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