« PiA樂團、そーとー推してます!! | トップページ | Selfkill… 世の燻っている大人たちへ。 »

2012年7月30日 (月曜日)

川秋沙【カワアイサ】、カモ科の鳥 …じゃなくて。

川秋沙(チュワンチウシャア)『人造沙洲』(2012)

Photo

先日ピックアップしたCicadaと同じポストロックインディーズレーベル・小白兔唱片(White Wabbit Records)の所属、女性ヴォーカルをメインに据えた四人組シューゲイザーバンド・川秋沙(Goosander)の1stアルバム、今年2月にリリースされた2枚目のCD作品です。

『川秋沙(Goosander)』とは、シベリア、ヨーロッパ、北アメリカ、中国大陸等に広く分布するカモ科の鳥の名前で、英語名だと『Common Merganser』(北米)、あるいは『Goosander』(ユーラシア)。 日本では『カワアイサ(川秋沙)』と呼ばれ、冬の渡り鳥として知られています。 台湾にも迷って飛来することがあり、バードウォッチングの対象にもなっているそうです。 その『迷鳥』とされる鳥の名を、彼らは自分たちの名前に選びました。

7曲目『車尾燈戀人』と、右はたぶん2011年7月01日に台北のCDショップ『誠品信義音樂館』内で行われたライブの模様…だと思う、4曲目『風尾』。
 
http://youtu.be/4CCdRcwNbIw ※hyde711034さん、TNX!
http://youtu.be/T5D3foTvM6k ※calling1987さん、TNX!

正式に活動を開始したのは2010年6月。 当時はキーボードを含む5名体制でしたが、現在はヴォーカル&MIDI担当の紅一点・翁宜襄(宜襄)、リーダーでギター担当の林村宜(Vincent=文森)、ベースの黃柏翰(小柏)、ドラムの劉彥廷(Hiko)の4名です。
右上のYouTube映像はショップでのライブということでアコースティック感タップリな演奏となっていますが、基本は左側、エレキギターやMIDIサウンドを駆使したシューゲイザー。 でもあまりうつむいている感じはしませんね。 人工建造物と自然との間を『迷鳥』のようにフワフワと浮遊するドリームポップ…そんな印象です。

アルバムタイトルには、一見『沙洲(砂州)』のように長い年月を掛けて堆積していったように見える台湾の芸術文化が、じつは目前の利益を追求するうち積み重ねられた不安定な『人造』であり、いつ消えてしまっても不思議ではない…そんな意味合いが込められています。
川秋沙最大の特徴は何と言っても歌のほとんどが台湾語であること。 過去と現在を真摯に見つめ直した台湾語による歌詞(…らしい^^;)と、これも意図したところなのでしょう、80年代から90年代…ひと昔前に戻ったような香りが漂う音の組み合わせ。 台湾の人々にとっては色々と思い起こさせられ、考えさせられる内容となっているようです。

川秋沙 - Facebook
川秋沙 - iNDIEVOX
川秋沙的部落格 - StreetVoice
川秋沙 Goosander - Blog
小白兔音樂城(White Wabbit Records) - Online Music Shop
White Wabbit Records 小白兔唱片 - Blog

* * * * * *

川秋沙が正式に活動を開始したのは2010年6月ですが、結成自体は2009年です。
元は7年前にギターの林村宜(Vincent=文森)とベースの黃柏瀚(小柏)がSuedeやBlurのようなブリティッシュロックをやろうとしたのが始まりで、その頃は現在のような浮遊感のあるスタイルではなかったそうです。
成立時のメンバーは林村宜と黃柏瀚、それからキーボードの江致潔(Jesy)、ドラムの李思毅、そしてヴォーカルの翁宜襄(宜襄)の5名。 ヴォーカルは当初ネットで募集をしましたがシューゲイズスタイルに合う声が見つからず、その後ジャズバンドでアルバイトをしていた宜襄に即興で歌ってもらったところとてもいい雰囲気だったということで参加が決まったようです。

女性キーボード奏者の江致潔は先日ピックアップしたポストクラシカルバンド・Cicadaの中心人物で、同時期ギタリストの林村宜とともに双方を掛け持ちしていました。 江致潔は2010年12月までは在籍が確認出来るので離団したのはその直後でしょう。 二つのバンドにはスタイル的に重なる部分とぶつかる部分が多々あって、考え方の違いからどうしても離れざるを得なくなったようです。 ただケンカ別れしたわけではないので、江致潔は2011年5月に川秋沙がリリースした5曲入りの1st EP『春日遲遲』でも作曲、プロデュースを含め全面協力していますし、林村宜もこのEPをリリースする直前までCicadaのギタリストを務めていました。
江致潔作曲によるOPナンバーの『島嶼』にはCicadaが2010年にリリースした1st EPのタイトルナンバー『Over the Sea/Under the Water』のイントロ部分が使用され、両バンドの共通点と相違点がハッキリと解かる仕掛けになっています。

1st EP『春日遲遲』から、ポストクラシカルの色彩が濃い『島嶼』。 Cicadaを歌入りで聴いている感じで、コレもいいですねー^^。

http://youtu.be/IflXLIe_vfk ※Yajung Pengさん、TNX!

2010年の活躍が認められた川秋沙は、インディーズサイト・StreetVoiceによる『The Next Big Thing 2011年度十大新團』(2010年)に選ばれたほか、1st EPリリース直前の2011年4月には行政院新聞局の録音補助対象バンドとして50万元を得ています。 1stアルバム『人造沙洲』はこの資金を元手に制作された作品です。
ドラムの李思毅はEP『春日遲遲』を最後に離団、新たに劉彥廷(Hiko)が加入しメンバーは固定しました。 Hikoは17歳でジャズドラムを叩き始め、現在は三人組サイケデリックバンド・Psychoのドラマー、小白兔唱片の女性シンガーソングライター・鄭宜農(チェン・イーノン)のバックを務めたりもしています。

* * * * * *

川秋沙については『人造沙洲』が発売された後、一度記事にしようとネタを集めたのですが、難しすぎてあきらめました。 先日Cicadaをピックアップした際に多少つながりが見えてきたので再度チャレンジしたものの… やっぱり難しかったです^^;。
誰にでもオススメ出来るアーティスト、作品ではないかもしれませんが、注目しておいていい、今後が楽しみなバンドには違いないです。

* * * * * *

メモ1:
ヴォーカルの宜襄は高校生の頃、歌唱コンテストで知り合ったレコーディングエンジニアのところでデモを歌ったり、友人たちと創作活動をしていました。 当時数学の成績が良くなくて、自分には音楽の道しかないと思っていたようです。 その後音楽学校でピアノや声楽、音楽理論などを専門的に学んでいますが、自分は音楽教師を目指しているわけではないと気づき休学。 勉強して輔仁大學・哲学科に入り直しています。 宜襄が文森と出会ったのはその夏休みのバイト中でした。 また、宜襄は三人組テクノバンド『落日飛車(Sunset Rollercoaster)』の初代メンバーの一人だったそうで、MIDI担当というのも頷ける話です。

メモ2:
リーダーの林村宜は現在小白兔唱片のセールス&マーケティング担当でもありますが、かなりデタラメな少年時代を過ごしています。 公道ドラッグレースをやったり、バイクのパーツを盗んだり、あるときは盗難防止チェーンをカットしたところを持ち主に見つかって病院送りにされたこともあったとか…^^;。 大学の観光学科を卒業後カタール航空に合格したものの3年間アラブ勤務になることがわかってこれを断り、ホテルのアシスタント業務に就いたのち、音楽を楽しむために小白兔唱片に入社しています。 Cicadaのメンバー紹介のところでほとんどが芸大の出身者と書きましたが、彼が違ったわけです。 音大出身のお嬢さまたちの中に、なぜ彼だったのだろう…。

メモ3:
ヴォーカルの宜襄は台湾語がまったくわかりませんでした。 歌詞は林村宜が書いていますが、その発音を英文字にして教えました。 レコーディングする段になって、台湾語に詳しい阿飛西雅(Aphasia)のギタリストでプロデューサーの小花(吳逸駿)と林村宜との間で言葉の習慣上の違いを巡って衝突があったそうです。 林村宜は台中訛り、小花は高雄訛りでした…。 宜襄は一生懸命勉強して歌いましたが、微妙な発音の違いなどはHikoのドラムに消されてしまい、結局のところよく聞こえなかったようです^^;。

* * * * * *

ガス欠寸前です…。
押していただけると嬉しいです…^^;。
にほんブログ村 音楽ブログ C-POPへ にほんブログ村

« PiA樂團、そーとー推してます!! | トップページ | Selfkill… 世の燻っている大人たちへ。 »

コメント

ashさん、こんばんは~。

ほんとに台湾のアーティストは横のつながりがおもしろいですよねー。
歌詞カードの演奏者名を見て、アレッ? となることがよくあります。
歌詞の意味がわかればもっとおもしろいんでしょうけど…。 (u_u。)

あ、Selfkill到着しました。
やっぱりシブいですわ~^^。

勉強になりました。
関係図が見えてきました。
川秋沙は詳しくは説明できませんが、
言葉を超えて心を打つと言うのかなぁ・・
まさに音楽ですね!!

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« PiA樂團、そーとー推してます!! | トップページ | Selfkill… 世の燻っている大人たちへ。 »

【台湾ポップス】TW-POP bot

C-POPブログ、いっぱい。

通貨コンバーター

無料ブログはココログ