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2011年5月16日 (月曜日)

シンガポール出身の実力派、蔡健雅。

蔡健雅(ツァイジエンヤー)『若你碰到他』(2009)

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1975年生まれ、シンガポール出身の実力派女性シンガーソングライターです。 英語名はターニャ・チュア(Tanya Chua)。 台湾デビュー以前のもの、日本でのインディーズ盤も含めて14枚目となるこのアルバムは、デモテープ作りから完成に至る過程で世界最大級のSNSである『Myspace』を通じて、ニューヨーク・ロサンゼルス・オランダ・オーストラリアなどに住む互いを知らないアーティストらとアイデアを出し合い、コラボレーションしながら制作していったのだそうです。 都会的な、ちょっとせつない雰囲気も楽しめる全10曲。

愛は放物線にそって進行するが、落下したときの地点は幸せからちょっと離れている…。
都会での孤独感、せつなさがキュンと胸にせまるMVが印象的な3曲目、『抛物線』。

http://youtu.be/yrAwLIcgPlY

この曲はCDバージョンよりも、このMVのほうが好き。 途中サビの部分で演奏が消えて、生歌みたいになるところがゾクッとくる。 トリハダ立つ。 CDはもちろん持っているし、WALKMANにも入れてるけど…ついコッチを見てしまう。

* * * * * *

10数年前…デビュー以前、パブシンガーをしていたときに自身の実力不足を認識し、それからギターを学び、英語の歌も作るようになった。 1997年に自費で英語のアルバムを出したところ台湾のレコード会社に注目され、1999年にアルバムデビュー。
最初、そのハスキーな歌声を活かそうとMVには顔を出さない『覆面歌手』として歌ってみたり、台湾の人気男性ロックシンガー・伍佰(ウーバイ)と雰囲気が似ていたため『女伍佰』としてプロモーションしてみたりと、レコード会社もいろいろと戦略を練ったようですがなかなか芽が出ず、2000年、ユニバーサルに移籍してリリースしたアルバム『記念』がヒットしたことで、ようやく注目を浴びるようになりました。 ターニャ・チュアはこの作品で第11屆金曲獎の新人賞部門にノミネートされています。 ただし、名実ともにトップシンガーとなるには、さらなる年月が必要でした。

8曲目、アルバムタイトルソングの『若你碰到他(あの人に会ったら)』。
台湾映画『陽陽』の主題歌にもなっています。

http://youtu.be/cE48Lxc3iyc

あの人に会ったら私からの祝福を伝えて。
そして私が幸せに暮らしていることをあの人と、あの人の傍にいるひとに教えて…。
『五番街のマリーへ』とか『ジョニィへの伝言』みたいな感じかな…? 古っ。

当初から作曲能力はズバ抜けて評価が高く、劉若英(レネ・リウ)や梁靜茹(フィッシュ・レオン)ほか多数のビッグネームに楽曲提供していたターニャですが、一方でシンガーとしては伸び悩んでいて、2001年にはユニバーサルとの契約も解除となってしまいます。
ワーナーと契約するのは1年おいた2003年ですが、それまでの間、じつは日本のインディーズレーベル『S2S』から7曲入りの英語アルバム『Secret Lavender』をリリースしています。 人気はさておき歌唱力ではすでに定評のあった彼女ですし、なかなかの良作との話ですよ。 中古でも手に入るようですので、ぜひ聴いてみたいものです。

ワーナーでのターニャは、当時新人女優だった桂綸鎂(グイ・ルンメイ)が出演したMV『無底洞』のヒットや、アジアの歌姫・孫燕姿(ステファニー・スン)とデュエットするなど機会に恵まれ、シンガーとしての評価も急上昇。 そしてついに2006年、アルバム『雙棲動物』で第17屆金曲獎・最優秀国語女性シンガー賞を獲得し、トップシンガーの仲間入りを果たしました。 その後2008年の第19屆金曲獎では7部門にノミネートされ、再び同賞と、最優秀アルバムプロデューサー賞の二冠を獲得しています。 ただし受賞作となった『Goodbye&Hello』は、2006年に彼女が母親とともにシンガポールに設立した独立新レーベル『Tangy Music』で製作したアルバムで、この独立については、当時ワーナーとの間でいささか不愉快な事柄(契約上の?)があったから…とされています(亞神唱片から発売され、現在に至る)。

2曲目に入っている『誰』。
MVとジャケット・イメージが同じところからすると、アルバムのコアはこれでしょうか?

http://youtu.be/0ROch80boOs

2006年リリースの『T-time 蔡健雅 新歌+精選』はベスト+新曲5曲の2枚組、2007年の『Goodbye&Hello』はオーソドックスなフォーク・ロック、2008年『My Space』は既作品のギターバージョンと提供楽曲のセルフカバー集で、バラードがメインとなっているようです。 とくに『Goodbye&Hello』は、今まで自己表現が得意でなかった彼女が、自身が経験してきたこと、プライベートな感情までもさらけ出すことにチャレンジした意欲作です。

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